新設住宅着工戸数2年連続増加!相続税対策の貸家は供給過剰、20ケ月ぶりにマイナス
3年ぶりの高水準に復活

国土交通省が今年1月に発表した建築着工統計調査によると、平成28年の新設住宅着工戸数は、前年から5.6%増え97万4,000戸と2年連続増加しました。平成25年の98万7,000万戸以来3年ぶりの高水準で、相続税の節税対策などでアパートや貸家を建てる動きが活発しており、貸家は5年連続して伸びており、全体を牽引しました。
日銀のマイナス金利政策で住宅ローンも超低金利となっており、各々銀行など金融機関では競争が激しくなっていることも着工戸数増加の追い風となっています。
分譲マンション着工だけがマイナス
内訳では、貸家が前年比10.5%増の41万8,543戸と5年連続増加して高水準。注文住宅など持家も同3.1%増の29万2,287戸。3年ぶりに前年実績を上回り、分譲住宅も同3.9%増の25万532戸で、うち一戸建ては同8.2%増でしたが、分譲マンションは11万4,570戸と0.9%減少しました。
昨年上半期は好調だった貸家が6月には前年同月を下回り20ケ月ぶりにマイナスに転じました。首都圏では底堅いものの、地方で前年割れが目立ちます。国土交通省でも、地方でのアパートの供給が過剰になっていると、今後の動向が注視されます。
計算上、約5,200万世帯の2%が毎年新しい住居に?
新設住宅着工戸数とは、住宅の建設を開始することで100万戸という数字を見てもイメージしにくいかと思います。日本の総人口は、総務省によると平成28年1月1日現在、約1億2,000万人強で、全国の世帯数は、平成22年の国税調査から半数弱の約5,200万世帯です。このことから年間約100万戸の住宅着工戸数というと、全国の世帯の約2%が毎年新しい住宅に入居することを意味します。
親切住宅着工戸数は過去、昭和の終わりには120〜170万戸で推移していましたが平成10年頃より徐々に着工は減少。平成20年のリーマンショクで80万戸を割り込みましたが年々上昇傾向にはあるもの、年間100万戸の回復は難しくなっています。
円安・株高、企業収益向上となったものの・・・
新設住宅着工戸数が低水準となっている理由に、リーマンショックで落ち込んだ景気が力強い復活に繋がっておらず、アベノミクスで円安・株高、大企業の収益向上にはなったものの、日常生活においては景気回復が実感できない、賃金が上がらない、節約志向という現状があります。
さらに日本は人口減少という住宅着工を抑制する要因がある上、結婚の晩婚化、三人に一人の離婚率、高齢者の一人暮らしなどの増加で一人暮らし世帯は約1,700万世帯。これらの世帯は、新たに住居を取得することは多くないため、新設住宅着工戸数の増加にはつながりません。
一方、中古住宅の高まりも要因といえ、総務省によると全国の空き家は約820万世帯。空き家活用、リフォームが課題認識になってきていることも要因と言えるでしょう。
●関連記事:「国交省,住宅着工戸数2ケ月連続で小幅増!分譲住宅、首都圏マンション着工が牽引」[2015.6.15配信]
[2017.10.12]
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