消費者物価指数17ケ月連続上昇!日銀、2%まで異次元金融緩和を持続
現有価格の高騰が幅広い品目の値上げへ
総務省が6月22日に発表した5月の全国消費者物価指数(平成27年=100)は、生鮮食料品を除くコアCPIConsumer Price Index:消費者物価指数)は101.0となり前年同月から0.7%上昇しました。上昇は17ケ月連続となっています。

上昇幅は4月の0.7%と同様ですが、幅広い品目に影響を与える原油価格の上昇が引き続き影響しており、ガソリンは10.5%、電気代は3.3%値上がり。業務用のビールも値上げされ、外食費は0.9%値上げりしています。
業務用ビールを扱う居酒屋やファミリーレストランでは、東京都の受動喫煙防止条例案もあり、全面禁煙に追い詰められており、「店を潰す」勢いを感じます。
7月以降、原油価格は落ち着く・・・?
原油価格は、今年4月以降、米英仏のシリアへの攻撃、米国のイラン核合意離脱と経済制裁再開などのリスクで急騰しましたが、OPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries:石油輸出国機構)とロシア中心の非加盟産油国は6月23日、7月からの増産を合意したことで、今後は下落傾向になるとみられます。
日銀の黒田総裁は6月15日、金融政策決定会合後の会見で「賃金上昇を価格に転嫁させる動きが出ており、2%に向けた勢いは維持されている」と相変わらずの発言です。
中小企業にとっては、賃金上昇はほんのわずかで、社会保障費や税金の上昇で、実質手取り額は減っている人が多いことを理解するべきでしょう。
賃金や公共料金改定に影響ある消費者物価指数
消費者物価指数は、「経済の体温計」とも呼ばれ、国民の生活水準を示す重要な指標で、日銀の金融政策の他にも、企業の従業員賃金や公共料金改定にも参考とされています。
海外では、金融政策の正常化の動きが見られ始め、出口が見えない日本の金融緩和策との距離は広がるばかりです。
FRB(The Federal Reserve Board:米連邦準備制度理事会)は今年2度目の利上げを決定し、ECB(European Central Bank:欧州中央銀行)も資産購入を年内で終了することを発表しています。
これに対し日銀は、約500兆円の国債や上場投資信託、不動産投資信託の資産を保有したままで、金融緩和の出口戦略を求める声も多く聞かれます。
総務省「今後も電気・ガス代は値上げの見込み」?
総務省では今後の見通しについて「燃料代の上昇で電気・ガス代は値上がりする見込みで物価の上昇要因になる」と発言しています。
法人企業統計の企業の利益剰余金規模は平成29年1〜3月期に390兆円から30年同期には426兆円に膨らんでいます。
これでも大企業の賃金は平成28年より下回り3%にも届かず、経営陣はリーマン・ショックの「危機」が脳裏から消えていないと理解できます。
日本のAI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)活用が世界から遅れているのは、これからのビジネスを取り込む「意欲」も欠けているとしか思えません。
●関連記事:「消費者物価指数「生活必需品」急上昇!消費者心理に影響大!野菜は異常値!」[2018.2.1配信]
[2018.6.27]
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